もの忘れ外来
もの忘れ外来

高齢化の進む我が国では認知症患者さんの数は増加しています。認知症の種類は約70%がアルツハイマー型認知症で最も多く、次いでレビー小体型認知症や血管性認知症があります。また認知症の前段階(予備軍)を軽度認知障害(MCI)と言い、年間約10%が認知症に移行するとされ、早期発見や予防が重要になります。
もの忘れ外来では、問診・診察・認知機能検査(心理テスト)・頭部MRI検査などを行い、診断と必要によって治療薬の投与を行います。また認知症では怒りっぽい、妄想があるなどの精神的な症状(BPSD)が出現する際には副作用に注意して治療薬でコントロールを行います。
最近では、アルツハイマー型認知症の原因蛋白であるアミロイドベータに対する抗体薬も使用が可能で、ご希望と適応があれば検査・投与が可能な専門医療機関に紹介します。
治療薬だけではなく、介護保険の申請やデイサービスの利用促進、家族の方の認知症への理解やケア・アドバイスにも力を入れております。
もの忘れ=認知症ではありません。患者さん本人の尊厳を保ちつつ、ご家族の方の困っている症状などにしっかりとアプローチします。
治療によって回復するもの忘れ(慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、うつ病など)
加齢によるもの忘れと、認知症の症状としてのもの忘れの違いは、もの忘れを認識(自覚)できているかどうかです。たとえば、加齢によるもの忘れは「食事をしたことは覚えているが、何を食べたのかを思い出せない」というものです。対して認知症は「食べたこと自体を思い出せない」といった違いがあります。
下記のようなもの忘れの症状は、認知症の初期症状の可能性があります。このような症状がみられたら、一度、検査を受けることをおすすめします。
ものごとを記憶したり、判断したり、順序立てて行うなどの脳の機能を認知機能といいます。認知症は、この認知機能の低下によって、日常(社会)生活に支障が出るようになった状態をいいます。多くの場合、徐々に認知機能が低下して認知症になりますが、認知機能が正常とも認知症ともいえない中間の状態があります。これを「軽度認知障害」と呼びます。もの忘れが目立つものの日常生活には支障がないという状態であり、現在、この軽度認知障害の段階で発見し、原因を診断したうえで、治療方針を立てることが認知症の診療の重要なポイントになっています。
日本人で最も多い認知症で、全体の6割以上を占めています。脳にアミロイドβやタウ蛋白という特殊なたんぱく質が沈着し、それにより正常な脳神経細胞が破壊されることで発症すると考えられています。
アルツハイマー型認知症の進行には以下の3段階があります。
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が起きて、その後遺症として認知症になるものです。脳血管障害によって突然認知症を発症したり、小さな脳梗塞(かくれ脳梗塞)がたくさんあることで徐々に認知症が現れたりする場合もあります。理解力や判断力は保たれ人格はしっかりしているように見えても、記憶力が低下しているというような「まだら認知症」もみられます。脳血管障害を引き起こす原因となる、高血圧、脂質異常症、糖尿病、心臓病などの生活習慣病を患っていることも特徴です。
認知症には他にも、レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症などがあります。
認知症の予備軍(前段階)を軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI エム・シー・アイ)と言います。軽度認知障害(MCI)は「もの忘れは頻回であるが生活は自立できている状態」です。ただ加齢によるもの忘れ、MCI、認知症の境目はあいまいで徐々に認知症に移行していきます。
MCI外来では、もの忘れ外来と同様に問診・診察・認知機能テスト・検査を行い、患者さんのもの忘れがどの段階であるかを診断します。軽度認知障害(MCI)の一部の方は脳にアミロイドベータ蛋白が蓄積しているケースがあります。患者さんの希望があり、他の適応基準を満たせば、連携している専門医療機関に紹介して投与のための検査(アミロイドPETや脳脊髄液検査)、投与を開始することも可能です。
また認知症予防として脳トレ・運動・栄養などのアドバイスをしています。